酒米と飯米

日本酒の原料として一般的に使われるお米を酒米、正式名称として「酒造好適米」と呼ばれます。「酒造好適米」は、飯米と違い大粒で中心の栄養分「心白」が大きいことが特徴。その「心白」の主成分であるでんぷんの密度が飯米より粗く隙間が多いため、麹菌が入り込みやすく、繁殖を活性化させ糖化の高い麹となります。また、タンパク質や脂質が飯米より低く、雑味が少ない日本酒が造られます。

ただ酒造りに食用の一般米が使用される場合もあります。以前は普通酒クラスのお酒に使用されていましたが、最近は製麹技術の向上によって一般米を使用した酒造りも増えてきています。

メジャーな酒造好適米

山田錦

酒米界のキング!全国一の生産量・作付面積を誇り、兵庫県をはじめ全国各地で栽培されています。その中でも兵庫県三木市・加東市の一部にある特A地区産の山田錦は最高峰とされています。

五百万石

新潟県を中心に東北から九州まで広く栽培されています。「心白」が大きく良質な麹をつくり、シャープでキレのあるスッキリとした味わいのお酒に仕上がります。

美山錦

突然変異によって誕生した比較的新しい酒造好適米。山田錦、五百万石に次ぐ作付面積で、長野から東北にかけた寒冷地で栽培されています。北アルプス山頂の雪のような「心白」があることから美山錦と命名。酒米が比較的硬いため、溶けにくく、米の味をおさえた軽快ですっきりとした味わいのお酒になります。

雄町

100年以上前に発見され品種改良することなく、栽培されつづけている唯一の品種。山田錦や五百万石をはじめ、現存する酒造好適米の多くのルーツ。岡山県南部(備前地方)を中心に栽培され、中でも旧軽部村産のもが最高品質とされている。「心白」が大きく軟質で、香りは高くはないが、濃醇で味わいの深いお酒に仕上がります。

全国の酒米

北海道 吟風、彗星
青森 花思い、花吹雪
岩手 吟ぎんが
秋田 秋田酒こまち、トヨニシキ(飯米)
山形 出羽の里、出羽燦々、亀の尾
宮城 蔵の華、ササニシキ(飯米)
福島 夢の香
茨城 ひたち錦
栃木 とちぎ酒14
群馬 舞風
埼玉 さけ武蔵
千葉 総の舞
静岡 誉富士
岐阜 ひだほまれ
愛知 夢山水、若水、日本晴(飯米)
三重 神の穂
新潟 越淡麗、菊水、コシヒカリ(飯米)
福井 越の雫
石川 石川門
富山 富の香
長野 金紋錦、ひとごこち
滋賀 玉栄
京都
奈良 露葉風、アキツホ(飯米)
兵庫 白鶴錦、兵庫夢錦、兵庫北錦、愛山、山田穂
広島 千本鶴
鳥取 鳥姫、強力
島根 佐香錦
山口 西都の雫、穀良都
香川 さぬきよいまい、オオセト(飯米)
愛媛 しずく媛、松山三井
高知 吟の夢、風鳴子
福岡 夢一献、吟のさと
佐賀 さがの華
宮崎 はなかぐら
熊本 神力